川をくだる。

人生という大河をくだっているところ

写真って悪くない

写真を撮ることが好きでミラーレスカメラやフィルムカメラを持っている。スマホでも日常的に写真を撮っている。

 

写真を撮ることは好きだけど、不純な行為だという認識があり、美しい景色や残したい瞬間にシャッターを切ることに時々罪悪感がある。

 

何故ならその瞬間が本当に素晴らしいと思うのなら、写真を撮ろうという欲さえ湧かないはずで、その瞬間を最大に味わうことが一番純粋な行為であると思うから。

 

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先日、祖父のお葬式で取り敢えず記録用にいっぱい写真を撮れ!!と父や親族に言われ、流石に不謹慎すぎない!?と思いつつも死顔やお葬式の様子をとにかく撮りまくった。

 

棺桶のなかに横たわる、お花に囲まれた祖父の綺麗にお化粧された顔。式場に訪れる知り合いに頭を下げる喪服の家族。身内側である私は、本来死を謹んで弔い悲しむべきなのに、この場面は記録した方が良いだとか、こっちから写した方が綺麗だとかを、レンズ越しに客観的に見ている立場に些か居心地の悪さがあった。

 

そして心地悪さと同時に、記録としての写真を撮る行為って悪くないとも思った。

 

お葬式の前に、家の奥から引っ張り出してきた昭和やもっと前の白黒写真を親族みんなで見ていた。若い頃の祖父祖母の姿や、写真に映る自分が生きていない時代を見るのは楽しかった。

 

自分が撮った写真も、歳を取った自分や家族、親戚が見て懐かしんだり、100年後に生きるの誰かが見て面白がることもあり得るんだと思うと、記録として写真を撮影することって悪くない。